ハウツー公開: 2026年4月13日·9分で読める

【完全解説】NPS(ネットプロモータースコア)とは?計算方法と活用法

NPSの計算方法・業界ベンチマーク・CSATやCESとの違いをわかりやすく解説。お客様の声と組み合わせた実践的な活用法も紹介します。

NPSスケール(推奨者・中立者・批判者)と計算式の図解

「NPS」という言葉を聞いたことはあっても、実際に何を測定していて、どう使えばいいのか がわからない方は多いのではないでしょうか。

NPS(Net Promoter Score / ネットプロモータースコア)は、「あなたはこの商品・サービスを友人にどの程度勧めますか?」というたった1つの質問で 顧客ロイヤルティ を数値化する指標です。

この記事では、NPSの基礎から計算方法、日本企業の業界ベンチマーク、そして お客様の声と組み合わせた実践的な活用法 まで、完全に解説します。

NPSとは何か

NPS(Net Promoter Score)は、2003年にベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルドが Harvard Business Review で発表した指標です。

シンプルに1つの質問をします:

「この商品(サービス)を友人や同僚にどの程度勧めたいですか? 0〜10で評価してください」

回答者は0〜10のスコアで回答し、そのスコアに応じて3つのグループに分類されます。

スコアグループ意味
9〜10推奨者(Promoter)積極的に他人に勧める。リピーター・口コミの源泉
7〜8中立者(Passive)満足しているが、積極的に勧めるほどではない
0〜6批判者(Detractor)不満があり、ネガティブな口コミにつながるリスク

NPSが世界中で採用されている理由は、たった1問で顧客ロイヤルティの全体像を掴める 手軽さと、売上成長との相関 が実証されている点にあります。

NPSの計算方法(図解付き)

NPSの計算式は非常にシンプルです。

NPS = 推奨者の割合(%) − 批判者の割合(%)

計算例

100人にアンケートを実施した結果:

  • 9〜10を選んだ人(推奨者): 45人 → 45%
  • 7〜8を選んだ人(中立者): 35人 → 計算には使わない
  • 0〜6を選んだ人(批判者): 20人 → 20%

NPS = 45% − 20% = +25

NPSスコアスケール図

以下はNPSの0〜10スケールを視覚化したものです。

NPSスコアスケール(0〜10)の図解:批判者・中立者・推奨者の3グループ
NPSスコアスケール(0〜10)の図解:批判者・中立者・推奨者の3グループ

NPSの範囲は -100〜+100 です。全員が批判者なら-100、全員が推奨者なら+100になります。

NPSスコアの解釈と目安

NPSスコアは業界や地域によって大きく異なりますが、一般的な解釈の目安は以下の通りです。

NPSスコア評価解釈
+70以上卓越世界クラスの顧客ロイヤルティ。Apple、Costco クラス
+50〜+69優秀非常に強いロイヤルティ。業界トップクラス
+30〜+49良好健全な顧客基盤。改善の余地あり
+0〜+29平均的満足はしているが、競合に流れるリスクあり
0未満要改善批判者が推奨者を上回っている。早急な対策が必要

注意: 日本市場では、文化的に中間点(5〜7)を選ぶ傾向が強いため、欧米に比べてNPSが 10〜20ポイント低く出る のが一般的です。自社の数値を海外ベンチマークと単純比較しないことが重要です。

日本企業の業界別ベンチマーク

日本企業のNPSは欧米と比較して全体的に低い傾向があります。以下は業界別の目安です(各種調査をもとにした推定値)。

業界NPS平均(日本)NPS平均(米国)
生命保険-40〜-20-5〜+10約30pt
銀行-30〜-10+20〜+35約40pt
通信キャリア-50〜-20-5〜+15約35pt
EC・通販-10〜+15+30〜+50約30pt
SaaS+5〜+30+30〜+60約25pt
教育・スクール+10〜+40+40〜+65約25pt
美容・サロン+5〜+25+30〜+50約25pt

この差は「日本人は控えめに評価する」という文化的特性が大きく影響しています。そのため、自社の過去のスコアとの比較(時系列トレンド)や 同業他社との相対比較 が重要です。

NPS vs CSAT vs CES:3つの指標を比較

顧客満足度を測る指標はNPSだけではありません。代表的な3つの指標を比較します。

項目NPSCSATCES
正式名称Net Promoter ScoreCustomer Satisfaction ScoreCustomer Effort Score
質問例「友人に勧めますか?」「満足度を5段階で」「簡単に解決できましたか?」
スケール0〜101〜5(or 1〜7)1〜5(or 1〜7)
計算方法推奨者% − 批判者%満足回答数 ÷ 全回答数 × 100低努力回答数 ÷ 全回答数 × 100
測定対象顧客ロイヤルティ(長期)個別体験の満足度(短期)体験の容易さ
得意な場面ブランド全体の健全性特定タッチポイントの評価サポート・購入プロセスの改善
弱点「なぜ」がわからない全体像がつかめない感情面を測れない

おすすめの使い分け:

  • NPS: 四半期ごとのブランド健全性チェック
  • CSAT: 購入後・サポート後など個別接点の評価
  • CES: オンボーディングや問い合わせプロセスの改善

3つとも数値指標のため、「なぜそのスコアなのか」 という定性的な理由がわかりません。ここで「お客様の声」が重要になります。

NPSの限界とお客様の声で補完する方法

NPSは強力な指標ですが、以下の限界があります。

NPSの3つの限界

  1. 数値だけでは改善アクションが見えない: NPS +25 → +30 にするために何をすべきかがわからない
  2. 回答バイアス: 不満な人ほど回答する傾向がある(ネガティブバイアス)
  3. 文化差: 前述の通り、日本では低く出やすい

お客様の声で補完する

NPSの「0〜10の数値」に加えて、自由記述のお客様の声 を収集することで、以下が可能になります。

  • 推奨者がなぜ推奨するのか → 強みの言語化・マーケティング素材に
  • 批判者がなぜ不満なのか → 具体的な改善ポイントの特定
  • 中立者を推奨者に変えるヒント → 声から「あと一歩」の要素を発見

TAIKOBANのフォームビルダーでは、星評価(NPS的な定量データ)と自由記述(定性データ)を1つのフォームで同時に収集できます。下図はフォームビルダーの設定画面で、NPS評価と自由記述を並べた構成の例です。

TAIKOBANのフォームビルダー:NPS評価と自由記述のお客様の声を1フォームで収集する設定画面
TAIKOBANのフォームビルダー:NPS評価と自由記述のお客様の声を1フォームで収集する設定画面

実践的な組み合わせ方

NPS調査とお客様の声の収集を 別々のツール で行うと、データが分散して分析が難しくなります。一元管理が理想です。

タイミングNPS質問お客様の声の質問
購入直後「友人に勧めますか?」「購入の決め手は何でしたか?」
利用3ヶ月後「友人に勧めますか?」「最も価値を感じた瞬間は?」
サポート後「友人に勧めますか?」「解決までの体験はいかがでしたか?」
解約時「友人に勧めますか?」「改善すべき点を教えてください」

この組み合わせにより、NPSスコアの 「なぜ」 が明確になり、具体的なアクションに繋がります。質問設計のテンプレートはこちら

TAIKOBANでNPSとお客様の声を統合管理する

TAIKOBANでは、NPS的な定量評価とお客様の声の定性データを 1つのダッシュボード で統合管理できます。下図はダッシュボードのトップ画面です。収集した声の件数・平均評価・最新の回答が一画面で確認できます。

TAIKOBANのダッシュボード:NPSスコアとお客様の声を統合管理するトップ画面
TAIKOBANのダッシュボード:NPSスコアとお客様の声を統合管理するトップ画面

できること

  1. 星評価 + 自由記述を1フォームで収集: NPS質問と声の収集を同時に実施
  2. 評価別フィルタリング: 星5の推奨者の声だけをウィジェットに表示
  3. AI感情分析: 声の内容からポジティブ/ネガティブを自動分類
  4. 時系列トレンド: 月ごとの平均評価の推移を分析画面で確認
  5. ウィジェットへの埋め込み: 高評価の声をサイトに自動表示

NPSスコアの改善サイクル

  1. TAIKOBANのフォームでNPS + 声を収集
  2. ダッシュボードでスコアと声の傾向を分析
  3. 批判者の声から改善ポイントを特定
  4. 改善を実施
  5. 推奨者の声をマーケティングに活用(声のギャラリー、ウィジェット)
  6. 次回のNPS調査で効果を検証

よくある質問

Q. NPSの調査はどれくらいの頻度で行うべきですか?

四半期に1回が一般的です。毎月だと回答疲れが起き、半年以上空けると変化を追いにくくなります。ただし、サポート後やプロジェクト完了後などの トランザクショナルNPS は都度実施して問題ありません。

Q. 回答率を上げるにはどうすればいいですか?

お客様の声の依頼メールのテンプレートを活用してください。タイミング(利用直後が最適)と簡潔さ(1分で回答できることを明記)が鍵です。TAIKOBANのフォームは平均回答時間30秒を目指して設計されています。

Q. NPSが低い場合、すぐに改善できますか?

NPSは 遅行指標 です。改善施策の効果がNPSに反映されるまで3〜6ヶ月かかることが多いです。短期的には、批判者の声から 最も頻出する不満点 をピックアップし、そこから着手するのが効率的です。

Q. BtoBとBtoCでNPSの使い方は違いますか?

BtoBでは回答者が「担当者」と「意思決定者」で異なるため、誰に聞くかが重要です。また、1社あたりのインパクトが大きいため、低スコアの顧客には 個別フォロー が必須です。BtoCでは統計的な傾向分析が主な活用法です。

Q. NPSとお客様の声、どちらを先に始めるべきですか?

お客様の声の収集 を先に始めることをおすすめします。声があれば定性的な改善ポイントがわかりますし、マーケティングにも即活用できます。NPSは仕組みが整ってから追加しても遅くありません。TAIKOBANなら両方を1つのフォームで始められます。

まとめ

NPSはシンプルながら強力な顧客ロイヤルティ指標です。ただし、数値だけでは改善のヒントが得られません。

  • NPSは「体温計」: 顧客関係の健全性を測る
  • お客様の声は「診断書」: なぜそのスコアなのかを明らかにする
  • 日本市場ではNPSが低く出やすい: 海外ベンチマークとの単純比較は避ける
  • NPS + 自由記述の同時収集 が最も効率的
  • 改善サイクルを回す ことでスコアは着実に向上する

TAIKOBANを使えば、NPS的な定量評価とお客様の声の定性データを1つの管理画面で統合できます。まずはフリープランで声の収集から始めてみましょう。

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